カメルーン「モルンドゥー」から次の国コンゴ共和国の「ウェッソ」という町を目指す。
このコンゴへの国境、ヤウンデの日本大使館にあった情報ノートで、「10,000フラン(約2,000円)の賄賂を拒否し続けると、他の人に見えない場所に連れて行かれ銃を突きつけられた」とあったので、ドキドキもの!!まぁ3年前の情報なのでその頃よりは状況が良くなっている・・・と信じたい( ̄ー ̄;)
町での聞き込み調査によると、国境までは30分と言う人、1時間半と言う人、すごくかかると言う人など様々。
辺鄙な場所で次の町への行き方を調査している時よく「リアルドラクエだな~」と思うのだけど、ゲームの世界と大きく違うのは、「村人達が教えてくれることがたまに間違っている」ということ(;´∀`)
まぁ今回の場合、「間違っている」のでは無く、ナイジェリア~カメルーン間と同じく、外国人が知らないマイナーな国境がいくつもあるということだった。カメルーンとコンゴの国境には東西に流れる川があり、それを挟んで北がカメルーン、南がコンゴとなっているのだけど、どうやらその川に面していくつもの国境があるらしい。
アジア圏ではいくつか国境があっても外国人が通れる場所は決められていて、それ以外は地元民しか使えないというのが普通だったけれど、どうやらアフリカ大陸ではそういう縛りは無いようだ。
本来一番メジャーな国境がある「ソカンボ」という町に行こうと思っていたのだけど、モルンドゥーからそこへはどうやらかなり遠回りになるようなので、とりあえず聞き込み調査の中でも一番近い国境「Bolozo」へ行くことにしたのだけど、これがそもそもの間違いだった。
国境のある川までは「バイタクで30分くらい」と聞いていたのだけど、このバイタクが外国人を乗せて行ったことが無いようでカメルーンのイミグレを通り過ぎる。私が「さっきのイミグレじゃ・・・?」と言うと何やら2人で話し合って(1台のバイクに3ケツしている)イミグレに戻るも、人がいなくて暫く待ち、更に出国スタンプは別の人が管理しているとのことでその人が来るのを待ち、結局1時間以上待たされた挙げ句、最後に「2,000フラン(400円)」と賄賂要求されるも、「またまたご冗談を~」と笑って誤魔化し立ち去る。(内心「こんだけ待たせて何が金じゃい!」と思っている。)
そこから数十年放置された登山道のようなぬかるんだ道をバイクで走るも、道が悪すぎて3ケツしているバイクでは先に進めず、半分くらいは歩いた。
国境の川に着き、手漕ぎボートで対岸(コンゴ側)へ。
ボートは「2,000フラン」だの「4,000フラン」だの言うものの、他の人が払っている様子が無いので無視すると、結局は無料だった。
対岸に着き、ボロ小屋にいた職員にパスポートを渡すと、
「入国スタンプ、7万フラン」と一言。
・・・約1万4千円。
何て可愛気のない賄賂代!!(゚∀゚;)
こんな人も来ないようなショボい村で、まさかの過去最高額の賄賂要求!!
たかだか数百円の賄賂ですら出したくない私がここでハイどうぞなどと出すはずも無く、あぁ出た出たと思っていると更に、
「それと、ここからウェッソへ行くバイタク代が5万フラン」
・・・約1万円。
いやいやいやいやいやいやいや。
え?何?
合計2万4千円?たかが国境の次の町に行くまでに?
もう笑うしかない。
「お金が無いから無理。ここに銀行無いでしょ?」
「それにビザ代を既に払ってるのに、入国するのにお金がいるなんて知らない。ちょっと日本大使館に電話して聞いてもいい?」
と、これみよがしにカメルーンの日本大使館で職員さんに貰った名刺とスマホを出すと、ちょっと見せろと名刺を取り上げられ、結局最初に言っていた「入国スタンプ7万フラン」は払わなくて良くなった。
数百円なら出す人もいるかもしれないのになぜ最初からそんな高額設定にするんだろう。バカだなぁ~と思いつつ、まだバイタク代の問題が。
職員とバイタクはどうやら結託していて、ここで職員に5万フランを払わないと入国スタンプも押してくれない。なんじゃそりゃ。
「銀行無いし、お金無いから無理」と言っていると、私の荷物検査が始まり、バックパックの中身を全て出されポーチの中まで全部チェックされたけど、私は財布には少しのお金だけ入れ、高額紙幣やドルとユーロは全て服の下のウエストポーチに入れているので見つからず、幸い女性職員もいなかったので身体検査まではされなかった。
金目のものも探しているようだったけれどPC、カメラ、スマホくらいしか無く、「スマホくれるならいいよ」と言われたものの、ハイどうぞとあげるわけもない。
カメルーンに戻って違う国境から行くことを既に考えてはいたけれど、私のカメルーンビザはシングルで、既に出国スタンプが押されていることが問題。
※観光ビザにも色々種類があり、通常は1回入国できる「シングルビザ」を取得する。シングルビザは再入国する際にはもう一度ビザを申請しなければならないが、2回入国できる「ダブル」、期間中何度も再入国可能な「マルチ」などもある。普通はダブル、マルチとなるほど金額が高くなるが、国によっては同じ料金の場合もある。
結局お金が無いというのを信じた職員は「じゃあここでは私が払うから、ウェッソに着いたらお金を降ろして必ず彼等に渡してくれ」と言う。どうやらバイタク代5万フランは値下げ不可能なようなので、ここで私は腹を決めた。
「もぅコンゴ行かない。カメルーンに戻る。」
ここでバイタク代5万フランを払うよりも、カメルーンの職員に多少賄賂を握らせれば再入国くらい出来るだろうと考える。再入国し、別の国境から入国しよう。
その後職員がパスポートのコピーと何やら必要書類を作らないといけないとかで軽~く3時間ほど待たされる。
待っている間、昼ご飯を分けてもらい若干懐柔されるも、おもむろに職員が無言でコン◯ームを見せてきて奥の休憩所のベッドを指差してきてゲンナリする。←当然無視、というか「それが何?」ともはや無反応な私( ゚_ゝ゚)シラー
コン◯ームはそのまま机の上にぽいっと置かれた。
何かよく分からない書類を受け取り、バイタクで来たぬかるんだ獣道を歩いて戻る。
↓大きな木のようにまとまって生えている竹。
竹って放おっておくとこんなになるんだ・・・。
写真は明るいけど、実際日光は遮られてかなり暗い。一人だったら怖かったけど、運良く中心部へ向かう女性グループがいたので良かった。
カメルーンのイミグレで「こんなに賄賂を要求された!」と声高に言うと、「コンゴはダメだ!カメルーンではそんなことないから安心しろ!」って・・・アンタついさっき「2,000フラン」って賄賂要求したよね?と言いたかったのをぐっと堪える。結局賄賂要求も無くアッサリ通してくれた。
こうしてゆうに7時間かけて元いた場所に戻って来た私。。。
顔見知りになっていた食堂に行き、とりあえずコーヒーを飲みながら店の人に事情を話し、遠回りになるけどメジャーな国境のソカンボに行こうかな~と言っていると「ここからソカンボはすごく遠回りになるよ!それよりも"ソカリブ"の方が近くていい」と言う。また変なことにならないかな~と思ったものの、その町からウェッソまではシェアタクシーがあり5万フランもはしないと言うので、イチかバチかそのルートで行ってみることにした。
ただシングルビザにも関わらずダブルエントリーしちゃっている私。さっきの職員には「ノー・プロブレム!」と言われたものの、やっぱり不安;(一応職員の電話番号は聞いておいたけど)
バイタクでソカリブの国境へ行き、ドキドキしながらカメルーン側のイミグレでダブルエントリーの事情を説明していると、
「事情は分かった。ちなみにモルンドゥーのイミグレではいくら払ったんだ?」と言う。
「払ってないよ。職員さんはカメルーンはいい国だから賄賂要求なんてしないって言ってたしね!」と意気揚々と応える私。
多分値段を言っていたらここでも同じ料金を支払わされていたのだろう。結局そのまま賄賂も無く通してくれたのだけど、説明している時にコンゴ側でもらった書類を見せると、
「これはコンゴで絶対見せてはいけないよ」と言う。
「えっ!?何て書いてあるの?」
「コンゴに入国させません、って書いてあるよ」
ま、まさかの入国拒否の書類だった!!(;゚Д゚)
コンゴの職員、「あんたもぅ入国出来ないよ」なんて一言も言わなかったのに何ソレ!いや、英語があんまりだったからもしかするとフランス語で言っていたのかもしれないけれど。
書類はフランス語で書いてあるから読めなくて、てっきりカメルーン側に対して「来たけど戻しましたよ~」的なことが書いてあるのかと思っていた。更にソカンボのイミグレにも連絡すると電話していたので、もしソカンボの国境に行っていたら入国出来なかったかもしれない;ネット環境も無いからさすがにここのイミグレまで情報はいっていないだろうけど更に募る不安(-д-υ)
まぁコンゴでこれを見せるつもりは無かったけれど、カメルーン側で見つかってよく通してくれたなぁ・・・;
そんなこんなで本日2ヶ所目のコンゴ国境「ソカリブ」のイミグレへ。
両国間の国境には川が流れているので渡し船で渡る。
そしてここのイミグレでもさも当然のように「入国スタンプ、お金」と言われる。
「お金は無い。ここには銀行無いでしょ?」
「いくらなら払えるんだ?」
「ちょっと日本大使館に電話・・・(以下略)」
という流れで結局ここでも賄賂は払わず通過できた。日本大使館様様!!先程の書類で入国拒否されていることが判明したものの、やはりここまでは伝わっていないようで良かった。
無事入国スタンプをもらった後、別の小屋でまたパスポートチェックがあり、その後警察署に滞在登録?のようなものをしに行き、ここでも「5,000フラン」と言われるが、連れて行ってくれた人が何やら説明して払わなくてよくなった。(後で聞くと旅行者は払わなくていいとのこと)
朝7時に宿を出て、夕方5時にようやく宿にありつけた。初めからこの国境を使えば何てこと無かったのだけど、いざ行ってみるまで分からないのがアフリカという場所。。。
ふぅ~、、、
今回も長かったなぁ~(-д-υ)
ソカリブからウェッソ(コンゴ)への行き方と安宿情報は次の記事(コンゴ編)で。
【カメルーンで使ったお金】
234,980CFA(約46,270円)
1XAF=0.196JPY
旅行期間:2017.7.5~7.25(約3週間)
※上記金額に含まれないもの:コンゴビザ(50,000CFA)、コンゴ民主ビザ(75,000CFA)。
カメルーンからコンゴ共和国への行き方
●ロンプラには載っていない国境が沢山あり、変な場所に行くとそこからの交通手段が無くて困るので要注意。
●一番メジャーな国境は「ソカンボ(Socambo)」という国境の町を通ってコンゴ側「ウェッソ(Ouesso)」に行くルート。どの国境も渡し船で対岸に渡らないといけない。渡し船は無料の所と有料の所がある。
●モルンドゥーに興味が無い場合はヨカドウマ(Yokadouma)からウェッソ行きを探すと楽。地元民情報によるとヨカドウマからMambeleで降り、シェアタクシー(ミニバス?)に乗り換えてソカンボまで行けるらしい。
●モルンドゥーから直接ソカンボに行く場合
Mouloundou~Socanbo バイタク 20,000~25,000CFA
Socambo~Ouesso バイタク 2,000CFA
●モルンドゥーからMambeleに戻りソカンボに行く場合
Mouloundou~Mambele バス(朝発)2,000CFA又はバイタク 7,000CFA
Mambele~Socanbo シェアタクシー(ミニバス?)5,000CFA
●私が実際通ったモルンドゥーからコンゴ側ソカリブ(Socalib)を経由してウェッソへ(Ouesso)行く場合
①Mouloundou~Socalib(カメルーン側) バイタク約1時間半 4,000CFA
※雨期でなければもっと早いかも。ソカリブは地元では「タンタン」とも言う。
②川の渡し船 500CFA
※川を渡ってすぐコンゴのイミグレがある。
③Socalib~Ouesso
シェアタクシー 約3時間半 10,000CFA
後ろ半分が荷台になっている白い車が大体ウェッソ行きのシェアタクシー。朝7時~9時くらいに市場付近に行くか、路上で捕まえても席が空いていれば乗車可能。その他の時間帯でも行く車があれば乗れる。前日に宿の人や地元の人にウェッソに行きたいと言うと、知り合い等で探してくれるかも。荷台に乗っている人もいるので、荷台は料金が安いかタダなのかも。
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