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シルク屋のおやじと仲良くなってみたら~ヒロシと言う名の男~

Category: インド
バラナシに着いた初日の朝、宿への道に迷っているところ、日本語を話すインド人が宿の近くまで案内してくれた。
これはお金を要求されると思ったら、そのまま「じゃあ」と去って行った。

こういう人もいるのかと思っていると、同じ日の昼、路上で「元気?覚えてる?」(←日本語)とまたインド人に声をかけられたが、朝の人とは違う人だった。更にその男は「昨日会ったでしょ?僕のこと忘れた?」とかなり怪しいセリフを吐く。私はその日到着しているので、もちろん昨日その人と会っている筈も無いので無視した。初めはアジア人多いし、誰かと間違っているのかと思ったけど、これが2回続くと「そういう手口か!」と気付く。

つまり、会ったこと無い人にでもこうしてさも一度会ったかのように声をかけて信用させる。(その他の時は道案内をしているのかもしれない)大体道案内されたくらいじゃ大して顔も覚えてないから、「あ、こないだ案内してくれた人かな?」と思っても無理もないし。



そういう訳で相変わらず全面的にインド人を信用していない私だけど、少し驚くこともあった。
バラナシ初日、インド人の学生・シッダールタと道を歩いていると(詳細記事)、他のインド人男性がシッダールタに声をかけることが度々あった。その度にシッダールタは学生証を見せ、何やら話しているけど、明らかに相手の男性は不審そうな顔をしている。聞くと、「僕が君を騙しているんじゃないかとみんな疑っているんだ」と言う。インド人の中でも「観光客を守ろう」という意識の人がいるらしい。確かに私もアジア人女性一人とインド人男性が一緒に歩いていると「大丈夫かな?」と思うだろう。
まぁそれだけ観光客に対する犯罪が多いということだろうけど。

シッダールタもその後会った現地人の数人も言っていたけど、この周辺に住んでいる現地人は日本語を話す現地人をひどく嫌っている。家族の中に日本人がいるならまだしも、インドにいるのになぜ日本語を使う必要がある?と言う。
他の国で日本語が出来る人がいる場合、イコール日本文化が好き、という人が多かったけど、ここではイコールお金のために覚える、という人が多いようだ。私が時々行った紅茶屋さんも日本語が話せたけれど、こちらが少し英語が使えると分かるとそこから日本語は使わなかったので、そういう周りの目を気にしてかもしれない。





私がまだバラナシでの床宿を定めていない時、とある一軒のシルク屋のおやじと知り合った。宿探しをしつつ迷子になっている私に道を教えてくれ、チャイを奢ってくれた。(睡眠薬強盗などもあるので、相手がチャイを飲みきってから手をつけたけど)
チャイを飲んでいる内におやじの子供達がやってきて、私にしては珍しく子供とも少し仲良くなった。

シルク屋のおやじは自分の名前を"ヒロシ"と名乗ったけれど、日本語は話せないし、英語もそれ程上手くなかったので、私は少しだけこの男を信用することにした。
子供と遊びがてらで時々そのシルク屋に寄るようになって、店から徒歩数分の彼の家で子供達と一緒に何度もご飯をご馳走になった。

日本で観光客に対する親切は「タダ」で行われ、見返りなんて求めないのが普通だけど、海外ではそうはいかないことが度々あることを私はもう知っている。


さぁ、今度の見返りに求められるのは「金」か「体」か「ビザ」か!?


と思っていると、2日目にヒロシがこう言う。

「インド人が日本に行くのは難しい。初めて行く場合、日本人の保証人や紹介状が必要なんだ。1回行きさえすれば、2回目からは簡単に行けるから、もし僕が日本に行く場合に保証人になって欲しい」

なるほど。

そういった意味の「ビザ」パターンは初めてだ。

見返りの内容が分かったところでむしろホッとする私。

「私がバラナシにいる間、ヒロシさんがいい人だと思ったら喜んで招待するよ」




バラナシではガンガー近くではアルコールを販売してはいけないという法律(条例?)がある。
インドと言えばキングフィッシャー(ビール)だけど、商店やレストランにはもちろんその姿はない。

「ヒロシさん、私ビール飲みたい・・・」

「分かった!俺が手配するよ」




夕方5時くらいにヒロシが他の現地人に買いに行かせ、2人で3本購入。
売っている店が遠いため、リキシャ代も入れて1本半で250ルピー(約450円)と言われた。高い!・・・が仕方無い。


DSCF1045.jpg


(手の模様は時間が経つと自然と消える"ヘナ"。詳細は次の記事にて。)

店のカーテンを3分の2くらい閉めて(全部閉めると怪しまれるから)、こそこそと隠れながら2人で飲む。
まるで親に隠れてタバコを吸っているような気分。
タバコ吸ったこと無いけど。



ビールを飲みながらヒロシは言う。

「俺は1回だけの商売というのは嫌いなんだ。外国人に偽物のシルクを見せて200ルピーのものを2,000ルピーと言うのは簡単かもしれないけど、それに気付いた時にはもう二度とその人は店に来ないだろう?それよりも、ちゃんと本当のことを言って適正な値段で売ると、その人は他の人にもこの店を勧めるだろうし、次来た時もこの店を選んでくれる。」

そう。
それが普通のことなんだけど、やっぱりそうする人が少ないのがこのインド。まぁインドだけじゃなく、多くの発展途上国がそうだけど。

以前ヒロシの店で私がチャイを飲んでいる間にもお客さんがきて、「パシュミナ(カシミアみたいなの)」とタグの付いたマフラーを、「これはタグにこう書いているだけで、実際は綿だ」とちゃんと説明して売っていた。本物のシルクと、ポリエステルで出来た偽物のシルクの見分け方も教えてくれた。
数人の韓国人が来てここで大量に買い物をして行ったけど、実際ヒロシが言う価格も安く思えた。

結構まともだなぁヒロシ・・・と思っていると。


「知っているか?シヴァには3つのパワーがある。家族への愛、友人への愛、そして愛する人への愛だ。」

「愛する人?奥さんは家族に含まれないの?」

「含まれるよ。だから愛する人は別だ。男も女も元々自由な一人の人間、そうだろう?」

「うん・・・そうだけど?」

「いいか?この先の話はここだけの秘密だ。」




この後どういった話がされたのかは勘のいい皆様ならお分かりでしょう( ̄ー ̄;)

非常に面白かったのですが、一応ヒロシとの「約束」があるので、暫くは封印しておきましょう。

一部だけ抜粋。


「バングラッシー知ってるか?」

※バングラッシー:マリファナじゃないけどそういう系の葉っぱが混ぜられた覚醒作用のあるラッシー。マリファナはインドでは非合法だけど、バングラッシーはライセンスを取れば合法。警官も飲んでいてラッシー屋の裏メニューとして存在する。



「俺はもう若くないけど、お酒を飲めば30分出来る。だけど、バングラッシーを飲めば45分出来るよ!」



・・・知らんがな( ゚_ゝ゚;

ビザだけでは無く結局そっちもか!

しかも5分単位って・・・細か~笑!

子供が3人もいる父・ヒロシ。

ただ、下手に好きだ可愛いと言ってそっちに持っていこうとするよりも、かなりオープンで面白かった。

露伴

もちろん丁重にお断りしたことは言うまでもない(・∀・)

店自体は偽物を売ることは無いだろうし、適正価格っぽいから非常におすすめしたいけど、ヒロシと仲良くなりすぎるのは女性にはおすすめできないw(普通に面白いおやじなので、男性は存分に楽しめると思う!)
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