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田舎に泊まろう!(クズル・トゥー村)

Category: キルギス
トルクメビザは受理まで1週間あるので、その間にキルギス国内を観光することに。南旅館で会った人がいいと言っていたクズル・トゥー村へ行ってみた。

ビシュケクからはマルシュルートカで約3時間。

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キルギスには「イシク・クル湖」という有名な湖があり、車は湖沿いの道を走るので車窓からの景色も綺麗 だと聞いていたけど、結局市内を出る前に寝てしまっていて、気がついたらクズル・トゥー村にもうすぐ着くぞという場所にある休憩所に着いていた。

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ここでも悠々とした山脈が広がり、なかなかいい景色。



そこからさほど時間も絶たず、クズル・トゥー村に到着。

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・・・なるほど。
最新版の地球の歩き方にも載ってる村だから、まぁ商店くらいあるだろうと思っていたけど、甘かった。商店とレストランは1軒ずつあったものの、どちらも閉まっていた。

宿があるらしい場所へ向かっていると、1人のキルギス人のおばあちゃんに声をかけられる。ものの、ロシア語(キルギス語)なので見事に一言も理解出来ない。とりあえずおばあちゃんのことは後回しにしておこう、と先に進む。

キルギスの田舎の村では、地元の人の家に泊めてもらう「民泊」というものがある。無料ではなく、大きめの都市のインフォメーションセンターで予約をしてお金を払う。先にここを訪れた友達が、インフォメーションセンターを通さずに泊まれたということだったので(その方が多分安い)、私も同じ家に突撃お宅訪問。が、1泊朝夕食付きで600ソム(約960円)と言われ、尻込みする。←それでも通常予約するよりは安いんだけど、友達は3人で行っていたからもっと安かった。

肩を落としつつも、他の家にアタックしようとするが、どこも田舎の家にそぐわぬ頑丈な門構えで庭が広く、家までの距離が遠い。人もあまり外に出ていない。結局2軒ほど断られたところで、さっき声をかけてくれたおばあちゃんの所にとりあえず戻ってみることに。

おばあちゃんは同じ場所で友達?と話していて、私を見るなり、またキルギス語で何か言ってきた。私が手を合わせて寝るポーズを取って「泊まれる?」と聞いても「ニェット(いいえ)」と言うし、さっぱり何が言いたいのか分からない。が、とにかくずっと話してくる。しばらく話して、私の前を歩き、「付いて来なさい」といった感じで手招きしてきた。少し迷ったものの、こんなペンギン村のような場所で変なことも起こらないだろうとおばあちゃんの後を追う。



結果。

この日の宿。

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もうちょっとひいたところ。

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クズル・トゥー村には私が先程お宅訪問した「集落」のような場所があるが、この家はそこから離れて数分歩いた場所に1軒だけぽつんと建っていた。

この家にはおばあちゃん・おじいちゃん・その息子長男夫婦と子供・弟 が住んでいる。私のジェスチャーがうまく通じていなかったのかいたのか、この日はここで泊めてくれることになった。おばあちゃんの息子・ベクー(弟の方)は少しだけ英語が話せた。「いくらで泊まれる?」と私が聞くと、おばあちゃんに通訳し、「日本人は友達だからお金はいらないって言ってるよ」という嬉しい答えが返ってきた。見ず知らずの外国人を、ただ日本人だからという理由だけで泊められるのが凄い。



家に入るなり振る舞われた、ウェルカム・・・「何か」。

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「ジャルマだ」と言うものの、それが一体何なのかも分からないし、色は茶色く、何やら沢山絞りカスようなのもが浮いているし、見るからにヤバそう。が、断るわけにもいかないため、思い切って飲んでみると、これまた「何だろう?」という味。
ミルクっぽいけどざらっとしてて、少し酸味と発泡性あって、一瞬お酒かと思うけどアルコール分は無かった。まぁはっきり言うと不味いのだけど、何杯も勧めてくる。

後で調べるとキルギス伝統の大麦発酵飲料だった。一般的に「ショロ」という商品名でもも売られているらしいが、家庭でも作るそう。



お昼過ぎに着いたため、昼食まで作ってくれた。朝パッサパサのパンを食べただけだったので、本当に嬉しい。

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「ピシュパルマ」という麺料理。羊の肉まで入っている。意外と臭みは無い。
パンもおばあちゃんの手作り。しっとりしているのになぜか水分を全部持っていかれるという不思議なパン。



食事の際には必ず「チャイ(ミルクティー)」が出される。

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注ぎ口に茶こしがついた珍しいキルギス製のティーポット。茶こしから落ちた水滴を気にする人なんて誰もいない。
キルギスでのミルクティーの淹れ方は少し変わっていて、まずティーポットで作った紅茶をカップに注ぎ、そこに熱いお湯とミルク、砂糖を投入する。大抵少し薄いミルクティーといった感じ。



私を拾ってくれた優しいおばあちゃん。

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ご飯を食べた後、お兄さんの方が家の周辺を案内してくれた。「家の周辺」といっても、この周辺はほぼこの家族の土地らしい。

家の裏庭。

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数年後にここにホテルを建てる予定とのことで、絶賛整備中のお父さんと息子。
建てるならユルタ(※)であってほしい。

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※ユルタ・・・キルギス遊牧民の移動式テント住居。モンゴルの「ゲル」と同じようなもの。



子牛とお兄さん。

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お兄さんは英語も話せないのに、身振り手振りでいっぱい話してくれた。
敷地内にはりんごやアプリコット等、沢山の果物が植えられていた。牛やヤギ、鶏も飼っているし、ほぼ自給自足をしてるんだろうな~と思った。



家を出て少し村を散歩。
遠くからユルタの骨組みが見えたので、見せてもらった。

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クズル・トゥー村はユルタの産地。
村人それぞれが分担して部品を作っているらしい。インフォメーションセンター等で事前に予約すると制作過程の見学も出来る。



見せてもらった家のお母さんと子供。

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家に戻るとおばあちゃんに「昼寝をしなさい」と言われたので、大人しく昼寝をする。が、昼寝どころかうっかり8時過ぎまで寝てしまった。

キルギスの昼は長い。
8時を過ぎても明るく、家族もちょうど「これからご飯」という感じだった。

夜ご飯はキルギスの一般家庭料理「プロフ」。

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野菜や肉など入った炊き込みご飯。店によって油っこい場合もあるけど、油感はなくて普通に食べれた。おばあちゃん料理上手?



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食事には毎回チャイとパン。

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食事時に別の場所に住んでいるおばあちゃんの娘さんの子供が来た。10歳くらいの元気な男の子で、おばあちゃんが私を日本人と紹介するなり、片膝をついて、片手に拳をつくって胸の前でパシッとするという妙な挨拶をされた。「ズドラストヴィーチェ(こんにちは)」と挨拶すると、両手を後ろにまっすぐのばして腰をかがめて走り去って行った・・・。どうやら「忍者」を意識しているらしい。その後も時々「忍者・侍・中国拳法」が入り混じったようなポーズを時々披露してくれた。

英語が出来るベクーを加えてみんなで話していると、日本と言えばみたいな感じで「忍者、侍、着物・・・」といった言葉が出てきた。ベタだけど、キルギスに来るまでキルギスについて何のワードも持たなかった私に比べるとはるかにマシだ。

海外で欧米人と話していると、日本にある都市名で真っ先に出るのは「東京、大阪」次いで「京都、奈良、名古屋、福岡」等が挙がる。でも欧米人以外、ちょっと田舎のアジアの国の場合、東京大阪の次に挙がるのは「広島、長崎」が多い。震災後は「福島」も。

この辺鄙な田舎の村でおじいちゃんから出てきた日本の地名は「北海道」。これは今までの経験ではかなり珍しい。ウィンタースポーツをする欧米人がたまに挙げることもあるけれど、80歳を超えるおじいちゃんがそれで知っているとは思えない。なぜ知っているのかと聞くと、おじいちゃんは若い頃ロシア(旧ソ連)軍の兵隊として、カムチャカ半島にいたらしい。

「カムチャッカから見える大きな島を見て、みんな"あれが北海道だ"って言っていたんだ」

戦争を経験していない私は、こういう時にしか実感出来ない。しわくちゃの笑顔を見せるおじいちゃん。かつてどのような過去があったのだろう。言葉が通じたらもっと色々聞けたんだろうけど。

その後「空手は出来るのか?」と聞かれたので、「空手は出来ないけど、これなら出来る」とポイを少し披露した。灯油を入手できなかったので、家の中で何となくだけどすごく喜んでくれたから良かった。お兄さんが「貸してくれ!」と私の見よう見まねでやるものの、かなり危ない感じでヒヤヒヤ。みんなで大笑い。楽しかったけど、やっぱどこかで灯油を入手しなければ・・・。



本日の寝床。

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ユルタに敷くようなパッチワークの布がかかった可愛い部屋。私のために1室丸々空けてくれた。昼寝までしたのに、普通に夜もぐっすり寝てしまった。




翌朝。

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朝ご飯もおばあちゃんの手作りパンとチャイ。

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ベクーも一緒に、次の町まで行くバスを待ってくれた。

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最後にベクーが「僕も日本に行きたい」と言うので、私の連絡先を教えておいた。私がまたここへ来ようと思えば会うのは簡単だろうけど、そうでなければ再会するのは難しいだろう。「またね」の代わりに「ありがとう」。

バスを待つ間も忍者のマネをして遊ぶおばあちゃんの孫。何となくそれに付き合う私。次の町へと続く一本道はただただまっすぐ青い空へ吸い込まれていくよう。
ありがとう、おばあちゃん。




ビシュケクからクズル・トゥー村への行き方


①南旅館~西バスターミナル
マルシュルートカ132番(終点) 約40~50分・10ソム

②ビシュケク 10:25発~クズル・トゥー村(Kyzyl Tuu)13:50着
カラコル(ボコンバエバ)行きマルシュルートカ 約3時間15分・250ソム(←もっと安いと思う)
※132番マルシュの降り場近くはタクシーがたもろしているので、無視して奥に進んで右の方へ行くとボコンバエバ行きマルシュの乗り場があった。長距離マルシュルートカは人が集まり次第出発なので、1時間くらい待って出発。必ず「クズル・トゥー」と言っておくこと。


【クズル・トゥーの安宿】
ビシュケク等のCBTで予約が無難。私が泊まらなかった宿は「フェルトハウス」から入ってまっすぐ、左手側。壁にヤシの木と馬のような絵が描かれている家。一泊300ソム、朝夕食300ソム。

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